社員の悩みQ&A(解雇)

社員の悩みQ&A(解雇)

解雇とは事業主が労働者に労働契約の解除を言い渡すことで、合理的な理由や社会通念に照らして納得できる理由がないとむやみに解雇することはできません。

人格や自由に関する制限行為は無制限に許されるものではない

髪を茶色に染めたことで得意先から会社に文句を言われたため、元に戻すよう言われましたが従いませんでした。始末書も拒否したので解雇を言い渡されました。

合理的な理由を示さない限り解雇できません。 「労働者の髪の色・型、容姿、服装などといった人の人格や自由に関する事柄について、企業が企業秩序の維持を名目に労働者の自由を制限しようとする場合、その制限行為は無制限に許されるものではなく、企業の円滑な運営上必要かつ合理的な範囲内にとどまる」という判例が出ています。
また、始末書を提出しなかったことについても、「債権者が始末書の提出を拒否した点も、それが「社内秩序を乱した」行為に該当すると即断することは適当でない」として「本件解雇の意思表示は解雇権の濫用として無効というべきである」と結論づけています。

ネットに会社の悪口を書いただけでは解雇できない

ネットの掲示板に自分の勤める会社の悪口を書き込みしたのが会社にばれてしまい、解雇を言い渡されました。

解雇権濫用であって解雇を無効とする判例があります。
判例では「企業秩序維持の観点からも問題があるといわざるを得ない」としましたが、「労働基準法の遵守や労働条件の改善を目的としたものと認められ、その方法、態様が相当とはいえないことを考慮しても相応の合理性を有するものと認められる」とし、そのうえで、「本件解雇は、客観的合理的理由を欠き社会通念上相当として是認することはできないから、解雇権を濫用したものとして無効とする」と判示されました。