社長の悩みQ&A(解雇)

社長の悩み(解雇)

解雇は人事のうえで使用者(経営者)が行使できる最も重大な権利のひとつと言えます。しかしながら、大きな権利が故にその行使については濫用されないように厳しく規制されています。その底流には労働者保護という考え方があり、権力を持てる使用者に対して権利の使用に条件を附しています。

解雇するには客観的に合理的な理由が必要

使いものにならない社員を、試用期間中に採用取り消しとすることができますか。当社では試用期間を3ヶ月としていて、当該社員は2ヶ月を経過しています。

合理的な理由を示さない限り解雇できません。
採用を取り消すということは、解雇するということです。労働基準法では、試用期間であっても14日を経過して引き続き使用している場合、採用取り消し=解雇となり30日以上前に解雇予告するか、解雇予告手当の支払いが必要となります。
また、解雇は「客観的に合理的な理由を除き、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして、無効にする」となっています。
したがって、単に使いものにならないでは採用を取り消すことはできません。具体的に何がどう使いものにならないのか明らかにしなくてはなりません。

「つわり」がひどい社員は解雇できない

妊娠してつわりがひどい社員がいて欠勤が多く、業務に支障を来しています。解雇することはできますか?

解雇できません。
具体的な根拠となる条文はありませんが、妊娠によるつわりは病気ではありませんから、就業規則等に長期病欠による解雇を明記していても、それには該当しません。
最近の傾向として、女性が働きやすくする職場づくりに関する法律(育児休業法など)もありますので、一方的な解雇をするのは絶対さけるべきです。
ちなみに、業務上の負傷又は疾病による休業期間中と治癒後30日間、産前産後休業期間中(産前6週間、産後8週間)は解雇できません。

詳しくは姉妹サイト「がんばって!!働くお母さん」をご覧ください。